令和5年第1回北本市議会臨時会 市長提出議案の審議結果

審議結果の詳細

本日、ここに令和5年第1回北本市議会臨時会を招集申し上げましたところ、議員の皆様におかれましては御参会を賜り、御審議いただきますこと誠にありがとうございます。

開会にあたりまして一言御挨拶申し上げます。

議員の皆様には、このたびの北本市議会議員一般選挙におきまして、多くの市民の皆様から御支持を得られ、めでたく御当選されましたこと、誠に御同慶の至りであり、心からお祝いを申し上げます。

地方自治を取り巻く環境は、少子・高齢化の進展、デジタル化への対応、地球規模での環境問題、自然災害への安心・安全に対する意識の高まり等、社会における様々な課題を抱えており、地方公共団体には、これらに対応しながら住民福祉の向上を図っていく重要な役割が期待されています。

市民ニーズが複雑多様化している中で、市民の代表であります議員の皆様に寄せられる期待も多大なものがございます。どうぞ、健康に十分御留意されまして、存分に御活躍されますことを心から御祈念申し上げます。

また、私もこのたびの北本市長選挙におきまして、市民の皆様から温かい御支援を賜り、議員の皆様、そして市民の皆様とともに、引き続き北本市のまちづくりを担当させていただくことになりました。心から感謝申し上げますとともに、初心を忘れることなく、確固たる信念と行動力を持って、市政運営に取り組んでまいる覚悟でございます。

本日、こうした機会に時間をお借りしまして、2期目の市政運営に対する私の所信の一端を申し述べさせていただきます。

全国的な課題でもある少子高齢化の進展や人口減少、これによる税収減少や社会保障費の増大は、本市が直面している大きな課題の一つです。

一方で、ポストコロナ時代のニューノーマルは、人々の価値観を大きく変化させています。これまでは、上り列車に乗って大都市で幸せ探しをすることが定番でしたが、これからは、下り列車に乗って「ふるさと」や「魅力的な地方」で自分らしい暮らしを見つける時代に差し掛かっています。

このような社会変化を的確に捉え、「真の豊かさ」を追求していくことが、今後のまちづくりのカギであると考えます。その上で、2期目におきましても、地域資源を正しく評価し、ローカルブランドとして高め、活用することで、持続可能なまちづくりを推進してまいります。

具体的に申し上げますと、喫緊に進めなければならない課題として、1期目の就任直後から着手しました人口減少に対応した取組をさらに進めてまいります。

本市におきましては、都心近郊に位置しながらも、街なかに貴重な緑地空間を残す自然環境の良さが魅力の一つです。こうした緑に囲まれたゆったりとした街の中で、自分らしい暮らしを実現していただけるよう、住民の皆様のまちへの愛着向上に主眼を置いた取組を進めてきた結果、令和2年以降は17年ぶりに転入人口が転出人口を上回る「社会増」へ転換しています。

また、次世代に過分な負担を継承しないよう、児童生徒数の減少により閉校となった学校に他の公共施設の機能を移転することで、統合・複合化を進めてまいりました。今後も公共施設の再編により、戦略的に小さくしつつも、各世代のニーズに応じて質の向上を図ってまいります。

加えて、ふるさと納税に関する取組が好調で、令和2年度、令和3年度の寄附額は2年連続で県内一位を達成し、令和4年度は前年度より2億円増の約11億円となりました。この寄附金を活用し、子育て支援をはじめとした未来への投資につながる取組を検討してまいります。

第2に、本市の長年にわたる重要課題である久保特定土地区画整理事業の早期完成とデーノタメ遺跡の共存に関する取組を進めてまいります。

区域内にお住まいの地権者の皆様のためにも、長期化する土地区画整理事業を早期に完了させるとともに、国の宝であるデーノタメ遺跡の国指定史跡化を目指し、保存・活用することで、今後のまちの将来像を確立してまいります。

デーノタメ遺跡は、教育、観光、防災・減災、コミュニティなどまちづくりにとってもポテンシャルの高い地域資源であると考えられますが、もとより、縄文時代は日本の基層文化であるとともに、自然と共生し、資源を循環させ、平和な社会を1万数千年も継続していたことが世界から高く評価されています。これは、現代のSDGsの考え方の原点であり、今後、本市が目指す持続可能なまちづくりのモデルとして活用してまいります。

第3に、誰ひとり取り残さない「共生福祉のまち」の実現に向けた施策を推進してまいります。

多様性を受け入れ、一人ひとりが大切にされる社会を目指すとともに、世代や分野を超えてつながることで、自分らしい暮らしが実現できる地域づくりを進めてまいります。

そのため、高齢の方、障がいのある方、子ども・子育て世代、生活困窮者等へのきめ細かな支援を行うとともに、多世代が交流できる居場所や生きがいづくりを進めてまいります。

こうした取組と合わせて、2期目の就任にあたりまして公約として掲げた10のお約束の実現に向けて取り組んでまいります。

今後、市政運営を進めていく中では、課題も数多くございますが、議員の皆様をはじめ、市民の皆様に御理解と御協力をいただきながら、北本の誇るべきものをさらに磨き、選ばれるまちとしていくために、誠心誠意努力していく所存です。

何卒、皆様の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

さて、本臨時会に提出いたしました案件は、「専決処分の承認を求めることについて（北本市税条例の一部改正について）」等の7議案及び報告4件です。

議案の主な内容について、順次御説明申し上げます。

はじめに、議案第26号、専決処分の承認を求めることについて（北本市税条例の一部改正について）及び議案第27号、専決処分の承認を求めることについて（北本市都市計画税条例の一部改正について）は、関連がございますので、一括して申し上げます。

本案は、地方税法の一部を改正する法律が令和5年3月31日に公布されたことに伴い、地方自治法第179条第1項の規定により同日付けで専決処分を行い、同年4月1日から施行したので、同条第3項の規定に基づき本議会に報告し、承認を求めるものです。

この改正内容について申し上げます。

議案第26号については、大規模修繕が行われたマンションに係る固定資産税の軽減、軽自動車税種別割の軽減適用期間の延長等を行うとともに、地方税法の一部改正に伴う規定の整備を行うものです。

議案第27号については、規定の整備を行うものです。

次に、議案第28号、専決処分の承認を求めることについて（北本市国民健康保険税条例の一部改正について）申し上げます。

本案は、地方税法施行令の一部を改正する政令が令和5年3月31日に公布されたことに伴い、地方自治法第179条第1項の規定により同日付けで専決処分を行い、同年4月1日から施行したので、同条第3項の規定に基づき本議会に報告し、承認を求めるものです。

この改正内容について申し上げます。

低所得者に係る国民健康保険税の軽減判定所得の見直しを行うとともに、規定の整備を行うものです。

次に、議案第29号、専決処分の承認を求めることについて（令和5年度北本市一般会計補正予算（第1号））について申し上げます。

本案は、食費等の物価高騰に直面し、影響を特に受ける低所得の子育て世帯に対し、特別給付金を支給することに伴い、特別給付金の支給に要する経費について、地方自治法第179条第1項の規定により令和5年4月25日付で専決処分を行いましたので、同条第3項の規定に基づき本議会に報告し、承認を求めるものです。

補正の第1条については、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ5,154万4,000円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ235億1,654万4,000円とするものです。

この内容について、歳出から申し上げます。

民生費の児童福祉費については、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金給付事業に要する経費を計上するものです。

続きまして、歳入について申し上げます。

国庫支出金の国庫補助金については、子育て世帯生活支援特別給付金給付事業費補助金及び事務費補助金を計上するものです。

次に、議案第30号、副市長の選任について申し上げます。

本案は、令和5年4月30日をもちまして、吉野(よしの)一(はじめ)氏が退任したことから、地方自治法第162条の規定により、副市長に新井(あらい)信(のぶ)弘(ひろ)氏を選任するため、議会の同意を求めるものです。

次に、議案第31号、監査委員の選任について申し上げます。

本案は、令和5年4月30日をもちまして、保(ほ)角(ずみ)美代(みよ)氏の任期が満了したことから、地方自治法第196条第1項の規定により、議員のうちから選任する監査委員に島野(しまの)和夫(かずお)氏を選任するため、議会の同意を求めるものです。

次に、議案第32号、令和5年度北本市一般会計補正予算（第2号）について申し上げます。

補正の第1条については、既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ4億9,602万8,000円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ240億1,257万2,000円とするものです。

この内容について、歳出から申し上げます。

民生費の社会福祉費については、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業に要する経費を計上するものです。

衛生費の保健衛生費については、新型コロナウイルスワクチンの追加接種に伴い、新型コロナウイルスワクチン接種事業に要する経費を増額するものです。

続きまして、歳入について申し上げます。

国庫支出金の国庫負担金については、新型コロナウイルスワクチン接種対策費負担金を増額するものです。

国庫支出金の国庫補助金については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を計上するとともに、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費補助金を増額するものです。

次に、報告第2号、専決処分の報告について（北本市総合福祉センター設置及び管理条例の一部改正について）及び報告第3号、専決処分の報告について（北本市障害福祉サービス事業所設置及び管理条例の一部改正について）は、関連がございますので、一括して申し上げます。

本件は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律の一部改正に伴い、当然に必要とされる規定の整備について、地方自治法第 180条第1項の規定により令和5年3月29日付けで専決処分を行いましたので、同条第2項の規定により報告するものです。

次に、報告第4号、専決処分の報告について（北本市子ども・子育て会議条例の一部改正について）申し上げます。

本件は、子ども・子育て支援法の一部改正に伴い、当然に必要とされる規定の整備について、地方自治法第180条第1項の規定により令和5年3月29日付けで専決処分を行いましたので、同条第2項の規定により報告するものです。

次に、報告第5号、専決処分の報告について（和解をし、損害賠償の額を定めることについて）申し上げます。

本件は、令和5年4月7日の強風により北本市南部公民館の屋根材が破損し、風で飛ばされ、相手方の敷地内に駐車してあった車両を損傷させたものです。

この示談が成立し、専決処分事項の指定について第2号及び第3号の規定に基づき、和解をし、損害賠償の額を定めることについて、地方自治法第 180条第1項の規定により令和5年4月27日付けで専決処分を行いましたので、同条第2項の規定により報告するものです。

以上をもちまして、本臨時会に提出いたしました議案の説明を終わりますが、何とぞ慎重、御審議の上、議決を賜りますようお願い申し上げます。