【7月30日】きたもとの子ども議会「北本スマイル議会」

更新日:2021年03月31日

投稿者(市民リポーター)大嶋佐知さん

市民リポーターの大嶋佐知です。

突然ですが…。
北本市議会の議場はどこにあるかご存知ですか?

3階の位置図

答えは、ここ。

北本市役所3階、中央エレベーターの目の前にあります。

平成30年7月30日(月曜日)、北本市の子ども議会『北本スマイル議会』が開催されました。

スマイル議員は市内小中学校12校より選抜された全24名。

議長(4名)、議員(20名)の各議員が中心となり実際の本会議さながらに一般質問が行われました。

もちろん答弁に立つのは市長はじめ教育長、各執行部の部長です。

議場の傍聴席から時代を担う子どもたちの登壇を見守りたい!…と思ったのですが傍聴席の数の関係上、別室でのモニター視聴となりました。

傍聴室の案内看板の写真

まず議会事務局で傍聴手続きをします。

傍聴券を首にかけてスマイル議会傍聴室へ入室。

ちなみに一番乗りでした。

議場の傍聴席は、受付右手に進みスロープを上って突き当りの扉から入ります。

広い廊下の横に事務室、奥にスロープがある写真

午後1時10分。スマイル議会議長より開会宣言がされました。

各議員の一般質問が始まります。

率直に言って、スマイル議員の質問はたいへん考えさせられるものばかりでした。

身近で具体的な問題の提起、北本市を盛り立てるような各提案、子どもならではの着眼点、まさに現在進行形で北本市議会で取り上げられている諸問題などにも触れられていました。

以下、主な質問と答弁をご紹介します。

(1)中丸小学校

  1. クイズ王選手権や将棋大会、市PR動画で市の産業を盛り上げるのはどうか?
  2. 公園で釣堀を充実させて釣りセットをレンタルするのはどうか?

→提案をまちづくりに活かしていきたい。近年SNSが盛んなので動画PRは興味深い。総合公園では「初めての釣り教室」や「ヘラブナ放流体験」など行っている。

(2)石戸小学校

  1. 通学路で危険な場所の道路拡幅やガードレール設置を考えてほしい
  2. ひとり下校に関して対策はあるか?

→道路拡幅等は予算がかかるので難しいが大型貨物の進入禁止など対策をとっている。今後はゾーン30事業や赤白ポール設置を検討。各小学校で通学路安全点検を行い学校だよりで周知を図っている。メールでの不審者情報の提供やこども110番の協力者が増えるようにPTAと連携していきたい。

(3)栄小学校

  1. 北本の伝統文化や芸能を子どもたちへ伝える方法や他市県への周知は?
  2. 外国籍の人が住みやすいまちづくりや2020のオリ・パラでの来訪者への対策は?

→市内には50の文化財がある。他市県へはホームページやパンフレットで周知する他、前出の動画PRもよい手段だと思う。外国人が住みやすいまちづくりに関して人権啓発パンフレットを配布する他、人権を守るつどいの開催、市HPの外国語変換を充実させることや体験ガイドツアー、来訪する外国人との交流を図る。

(4)北小学校

  1. 公園の時計やトイレの設置、新規公園の予定はあるか?
  2. 新たな図書館や児童館、移動図書館の予定はあるか?

→市内には98の公園があり、うち時計は12か所、トイレは18か所に設置されている。予算を見ながら考えていきたい。また公園の面積としては市民ひとり当たり10.4平方メートルで近隣市より大きい。最近ではわくわく公園やとまちゃん公園が整備された。新規の図書館・児童館について建設計画はない。桶川市・鴻巣市と図書に関する提携を行っている。県内では12か所で移動図書館を実施しているが北本市では難しい。

(5)東小学校

  1. デーノタメ遺跡の子ども向け資料や検索しやすいHPがあったらいいのでは?
  2. 北本市ではどのような子育て支援を行っているか、子や母への優しい何かの計画はあるか?

→文化財保護課の職員を各学校へ派遣し説明することができる。また市役所1階で展示を行っている。子育てガイドブックを配布し送迎手伝い事業や急な疾病時のあずかり施設と提携している。高校生3年生までの医療費無料を実施(平成30年10月~)。0歳児オムツ無料事業、第3子の保育園無料事業、祖父母の同居・近居のための住宅取得補助事業など。

(6)中丸東小学校

  1. 北本まつりの周知に地域放送をしてはどうか?
  2. 北本駅構内に植物や楽しい掲示スペースを設けてはどうか?

→地域放送はしないが中山道や北本駅にフラッグを出す。体験ガイドツアーでPRするほか、ねぷたコンテストや祭りの写真展などを計画している。駅通路や階段は災害時の避難路になることや高齢者や子どもの安全のため植物を置くことには適さないため工夫が必要。駅掲示の学校紹介スペースは好評のため今後も活用してほしい。

(7)東中学校

  1. 障がい者や高齢者が他者と日常的に交流したり健康づくりができるような場はあるか?

→小学生が入居者と交流したり中学生の職場体験として訪問を受け入れている施設がある。「イキイキとまちゃん体操」を実施する通いの場や、各公民館では認知症や高齢者を対象としたサロンを開催している。

(8)西中学校

  1. 若者をひきつけるようなイベントやカフェ・商業施設を計画しSNSで拡散してもらうのはどうか?
  2. 野外活動センターの宿泊施設が周知されていない、小中学生向けの広報誌を考えては?

→さくらまつりのイベントなどに高校生にも参加してもらっている。商業施設等は民間の力を借りたい。広報誌については手に取って読みたくなるような漫画記事などと取り組みをしているので読んでみてほしい。広報誌には学校関連記事を載せて興味を持ってもらえるようにしたい。

(9)宮内中学校

  1. 市ホームページで4R(リデュース、リフューズ、リユース、リサイクル)を推進してるが市のリサイクル活動はどのようになっているのか?
  2. 蒲ザクラや自然観察センターなど自然いっぱいの北本でゴミ捨てのマナーについてどのように声掛けすればいいか、市の取り組みについて知りたい

→4R活動にはゴミの分別が大切である。市では可燃→灰→セメント材料、不燃→金属→売却・不燃→金属以外→サーマルリサイクル、容器→材料リサイクル、小型家電→金属資源→金メダル(例)などがある。ゴミのポイ捨てについては市民のマナー向上のためホームページ、広報紙、看板などで注意喚起する。道路や公園をきれいに保つため「ぴかぴか北本おまかせプログラム」などで美化活動を行っている。

前に一段高い議長席がありその周りに議員席がある会議場内の写真

各議員が質問をするのはこちら。

中央議長席の前の檀上で行います。

2名ずつが座れる席が並び後ろに一列の傍聴席がある議長席から見た写真

議長席からはこんな風に見えます。

議場内には20席の議員席。奥の少し高い場所が傍聴席です。

議員席の氏名標にはスマイル議員ひとりひとりの名札が貼られていましたよ。

一般質問の後休憩をはさんで再開しました。

そして今回『北本スマイル議会』初!という、「北本スマイル議会宣言」が議員提案として提出され、本議会で審議されました。提案者は北本中学校区(北本中・南小・西小)の3校です。

この提案に対しては各スマイル議員から質疑が出され、提案者はそのひとつひとつにしっかりと回答。

最後は「異議なし」の声とともに「北本スマイル議会宣言」および「スローガン」が決定しました。

「北本スマイル議会宣言」:進んで、前向きに取り組む北本っ子

「スローガン」:“Yes”デー~失敗をおそれずに前向きに取り組む日~

今後は各中学校区ごとに“Yes”デーの目的に添った取組を設定し実践していくことになります。

北本中学校区の取組を参考にしながら、質疑を通して、具体的な取組や課題、実施方法など明らかにしていくことで各スマイル議員が提案内容を共有することができました。

そして決定したことを各学校に持ち帰るという役目も担っています。

内容の濃い「北本スマイル議会」だったのではないでしょうか。

閉会に際して、各スマイル議員よりひとりひとり感想が述べられました。

  • みんなで話し合うことの大切さに気がついた
  • 北本市をよりよくするために考えたことを応援してもらえた
  • スマイル議会の体験を今後に活かしていきたい
  • 北本市について考えるようになった
  • 緊張したけど自分の考えを述べることができた、学校に戻って伝えたい
  • 北本っ子として自分たちの視点から考えられる機会となった
  • よりよいまちになるための第一歩だと思う
  • スマイル議会によって北本市がよりよい方向へ進んでいけたらいい
  • 北本市についてもっと知りたくなった
  • 議場で質問したことがうれしかった、今後に活かしていきたい
  • 北本市のためにできることを自分自身でも探していきたい
  • 自分の学校でも取り組んでみたい活動があった、前向きに取り組みたい
  • 自分の考えを持ち、相手の考えも聞いて実行していくことの大切さを知った

ところで、スマイル議員さんたちの中でこれまで議場に来たことがある人はいませんでした。

私自身は、年4回の定例会の議会中は必ず一度は傍聴に足を向けていますが、実は今回初めての体験をしました!

壁に北本市議会と書かれた廊下の写真

傍聴席ではなく議場へ直接入ることができるこちらの扉。

初めてここから入場できたのですよね~(嬉)

スマイル議員の皆さんが敬意を払って一礼して入場する姿が印象的でした。

これからも開かれた議会として大人も子どもも多くの市民が注視する場であってほしいと思いました。