がん検診で要精密検査と判定されたら
要精密検査と判定されたら、必ず精密検査を受けましょう。
がん検診は、がんを無症状のうちに早期に発見するためのものです。
「要精密検査」とは、「がんの疑いを含め異常(病気)がありそう」と判断されたということです。医療機関でより詳しい検査を行い、本当にがんであるかどうかを調べる必要があります。症状がない、健康だからといった理由で精密検査を受けないと、がん検診で見つかるはずのがんを放置してしまうことになります。
精密検査の結果、がん以外の病気と判断されることが大半ですが、万が一、がんであった場合には、早期発見、早期治療で治る可能性が非常に高くなります。
精密検査受診時の持ち物
・健康保険証(またはマイナ保険証)または資格確認証
・がん検診の結果通知
・受診をしたがん検診実施医療機関発行の精密検査実施医療機関宛て文書
※精密検査は保険診療となります。
※レントゲン写真など検診データの持参を求められることがあります。予約の際に医療機関に持ち物等確認をしてください。
精密検査の内容
※一般的な検査方法です。詳しくは、精密検査を受診する医療機関の医師とよくご相談ください。
胃がん検診(バリウム検査)
精密検査方法
●胃内視鏡(胃カメラ)検査・・・カメラを内蔵した細いスコープを口や鼻から挿入、食道や胃などの臓器を観察する検査です。消化管内部を詳細に観察して診断を行うほか、病変部を採取・切除するなど、処置や治療を行う場合もあります。
●胃生検・・・胃カメラで目視では異常の判断がしにくい場合や、がんの疑いがある場合に生検が行われることがあります。生検とは、体の一部の組織を採取して詳しく調べる検査のことです。胃の粘膜から少量の組織を採取することでがんや炎症の有無を確認することでき、より正確な診断につなげることができます。
大腸がん検診
精密検査方法
●全大腸内視鏡検査(精密検査の第一選択肢)・・・肛門より内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸を詳細に調べます。ポリープ等の病変を認めた場合、病変の一部を採取し、顕微鏡で調べる場合があります。
●大腸のX線検査(大腸内視鏡検査と併用法)・・・大腸全体を内視鏡で観察することが困難な場合は、内視鏡が届かない奥の大腸をX線で調べます。肛門からバリウムと空気を注入し、大腸全体のレントゲン写真をとります。
●大腸CT検査・・・肛門からガスを注入し大腸を拡張させ、X線で撮影する検査です。
※便潜血反応検査で要精密検査となった場合は、便潜血検査の再検査(もう一度受けること)は精密検査の代わりにはなりませんので、不適切です。必ず精密検査を受診してください。
肺がん検診
精密検査方法
●CT検査・・・胸部X線写真が平面なのに対して、CTは臓器の状態を立体的にみることができます。肺内部で細かく枝分かれする気管支や、血管も鮮明にみることができるため、胸部X線写真では見つかりにくい淡い陰影の病巣や、心臓や横隔膜との重なりの病変を発見することができます。
●気管支鏡検査・・・気管支鏡を口や鼻から気管支に挿入して、病変が疑われた部分を直接観察します。必要に応じて組織を採取し、悪性かどうか診断します。
※喀痰細胞診で要精密検査となった場合は、喀痰細胞診の再検査(もう一度受けること)は精密検査の代わりにはなりませんので不適切です。必ず精密検査を受診してください。
乳がん検診
精密検査方法
乳がんの一般的な精密検査はマンモグラフィ(乳房X線検査)の追加撮影、超音波(エコー)検査、細胞診、組織診等を組み合わせて行います。
●レントゲン(マンモグラフィ)検査・・・疑いがある部位を多方面から撮影し、観察します。
●乳房超音波検査、CT検査、MRI検査・・・画像をとり、疑いがある部位を詳しく検査します。痛みのない検査です。被ばくの心配がないため、妊娠中でも検査が可能です。
●針生検(組織診)、穿剌吸引細胞診・・・細い針を刺して、疑いがある部位の細胞や組織を採取し、がん細胞の有無を確認します。確定診断をつけるために行われます。
子宮がん検診
精密検査方法
子宮頸がん検診の精密検査は、コルポスコープ診、組織診、HPV検査等を組み合わせて行います。
●コルポスコープ診・・・コルポスコープという拡大鏡を使用し、子宮頸部の粘膜表面を拡大して観察し、組織を採取する際に使用します。
●細胞診・・・子宮頸部の細胞の変化を調べます。疑いがある部分より組織をとり、顕微鏡で検査します。がん細胞だけでなく、「異形成」といわれる状態の細胞を発見できます。
●HPV検査・・・ウイルス感染を調べます。採取した細胞が、子宮頸がんの原因であるHPVに感染しているかどうかがわかります。
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更新日:2025年09月05日