ハチについて

更新日:2022年01月05日

ハチについて

毎年7~9月はハチの活動が活発になります。市にも、しばしばハチに関する相談が寄せられています。
ハチは「刺される」ことへのイメージが強く、飛んでいるハチを見かけただけで、恐怖をおぼえる人も多いようです。

しかし、ハチは樹木につく毛虫を捕食したり、植物の受粉を媒介して果実の実りをもたらしてくれる有益な虫でもあります。生態系のバランスを保つためにも、生活上の支障がない限り、そっと見守ってあげたいものです。

また、人間から攻撃をしたり、いたずらをしなければ、襲ってくることはほとんどありません。ハチについて正しい認識をもち、状況に応じて適切に対処することが大切です。

ハチの基本知識

ハチは、春に女王バチが1匹で巣を作り始めます。巣の寿命は秋までで、それまでに来年の新女王バチを巣立たせるのが1年のサイクルです。
ハチは、8~10月に数が増えて攻撃性を増すため、この時期は特に注意が必要になります。人を刺すのは、働きバチ(メス)で、鋭い毒針を持っています。

ハチの種類と特徴

ミツバチ

生態:農業では、果物などの作物の受粉に広く用いられる益虫です。性格は非常におとなしく、攻撃性はほとんどありませんが、巣を刺激すると攻撃してくることがあります。

:樹木の空洞や床下、屋根裏などの閉鎖された場所に巣を作るので、巣自体を見ることはほとんどありません。

ミツバチの分蜂

特徴:ミツバチは、「分蜂」といって、春から夏にかけての時期に庭木や軒先などに何十匹もの集団でかたまっていることがあります。これは、今までの女王バチが新しい女王バチに巣を譲り渡し、新しい巣を作るため働きバチを連れて引越しをしようとしているものです。一時的に留まっているだけで、数時間から数日で移動します。危害を加えない限り攻撃してくることはありませんので、様子を見てください。

アシナガバチ

生態:細身で長い後肢をもっています。比較的おとなしい性格ですが、巣やハチ自身に刺激を与えると攻撃してきます。

:軒下や庭木、窓枠などいろいろなところに巣を作ります。巣の形状は、茶碗をひっくり返したような半球状で、下から見ると六角形の穴がたくさん見える形をしています。巣の色は、白色系・灰色系で、少し薄い茶色が混ざっている場合があります。

特徴:アシナガバチは害虫退治の名人で、緑を食い荒らす害虫を幼虫のエサとしています。生活に支障がない高いところや近隣に迷惑がかからない場所でしたら、巣の寿命は1年ですので、できるだけそっとしておいてあげてください。

アシナガバチ

アシナガバチ

アシナガバチの巣

アシナガバチの巣

スズメバチ

生態:体長30ミリメートル超と、日本ではもっとも大きなハチの一つで、ケムシやアオムシなどをエサとしています。巣を守る本能が非常に強く、興奮すると人を攻撃することがあり、注意が必要です。

スズメバチ

:樹木の枝や家屋の軒下、土中などに巣を作りはじめます。こげ茶と薄茶のマーブル模様の球状で、出入り口が一箇所でき、そこから多くのハチが出入りします(巣を作り始める初期の段階では、とっくりを逆さにした形をしています)。

スズメバチの巣

スズメバチの巣

スズメバチの巣(初期の段階)

スズメバチの巣(初期の段階)

特徴:キイロスズメバチという種類は、女王バチが石垣など閉鎖的な空間に巣を作ることが多く、巣が大きくなり、営巣空間が狭くなると軒下などの開放的な場所へ引越しをします。この場合、元の巣を見つけないと新しい巣を駆除しても同じところに作られてしまう可能性があります。

ハチに刺されないためには

1.巣に刺激を与えない
スズメバチが「カチカチ」という音を立てながら、まとわりついてきたら「巣に近づくな!」という警告です。

2.黒い色や香水・整髪料を避ける
ハチは黒いものに襲い掛かる習性があります。また、香水や整髪料などのにおいにも敏感で、黒いものと同じ反応を示すので注意が必要です。

3.ハチを振り払わない
飛んできたハチを手で振り払うと反撃体制に入り、攻撃的になります。何もしない限り人間を襲うことはないので、飛び去るまでじっとしていることが大切です。

4.姿勢を低くする
飛んできたハチを見たら、姿勢を低くして飛び去るまでじっとしましょう。ハチの視力は3m程度です。できるだけ巣から遠くに逃げるのが安全です。

ハチに刺されてしまったら

症状

ハチに刺されたときの症状は、ハチの毒そのものによるものと、ハチの毒に対するアレルギー反応の二つがあり、局所症状と全身症状として現れます。

局所症状としては、刺されたところが腫れて痛みます。通常痛みは数時間から1日でなくなり、かゆみを伴うしこりが数日で消えます。

全身症状としては、特にススメバチに多いのですが、刺された際の毒の量が多かったり、毒性が強かったり、以前に何度も刺されたことがある場合には、蕁麻疹・呼吸困難・発熱・血圧低下などの症状を呈しショックによって最悪の場合死に至ることもあります。このような症状が急激に発症した場合は、救急車を要請してください。

処置

刺されたら、まずはその場からそっと離れてください。あせって手で振り払ったり、走り回ると危険です。ミツバチの仲間は、いったん刺すと化学物質が撒き散らされ、周囲のハチを刺激し集中的に刺されることがあります。

以下の手順で処置を行い、安静にします。20~30分ほど様子を見て、異常がないようならひとまずは安心です。途中で様子が少しでもおかしいと思ったら、直ちに医療機関を受診してください。

1.水で洗い流す
針が残ってる場合はピンセットなどでそっと抜きます。ハチの毒は水に溶けるので、すぐに傷口から手で毒液を搾り出しながら、水でよく洗いしてください。これにより、毒を薄め、傷口を冷やし、腫れや痛みを和らげます。口で毒を吸い出すのはやめてください。

2.薬を塗る
抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏などがあれば塗布します。

3.冷やす
濡れたタオルや保冷剤などで冷やし、安静にしてください。
ハチに刺された場合は、基本的に皮膚科を受診してください。お子様は、小児科を受診してください。また、2回目以降に刺された方が、呼吸困難、嘔吐、下痢、意識がなくなるなどのショック症状が出た場合は、すぐに救急車などで医療機関(アレルギー内科などの専門医が居る医療機関が良いでしょう)を受診してください。ハチ毒アレルギーをもつ人が、2回目以降にハチに刺された場合、このような危険な状態(アナフィラキシーショック)になることがあります。

ハチの巣の駆除について

私有地や住宅にできたハチの巣については、所有者や居住者が自己責任で駆除撤去するのが原則です。撤去が難しい場合は専門業者をご紹介します。(駆除費用は自己負担になります。事前に見積りをとるなど費用について確認してください)。

ある程度巣が大きくなってしまうと、撤去が難しくなってしまいます。常日頃からご自分の私有地や住宅をきちんと管理し、ハチに巣が作られない・作られても初期のうちに気づくことができるようにしましょう。

自分で駆除するには

ハチの活動が活発でない早朝もしくは夕方に、市販されているハチ専用のスプレー(離れた所から噴霧できるもの)を巣に向かって噴霧します。(風向きに注意してください)。ハチは黒いものやヒラヒラしたものを集中的に襲いますので、服装は白を基調とした露出の少ないものを着用し、目はメガネ等をかけ、頭は白いタオルや帽子などをかぶって防御します。スプレー後、ハチが動かなくなったのを確認して、棒などで巣を落とし、ゴミ袋等に入れて一般ゴミとして処理します。薬剤のかかったハチは体がくの字になります。

スズメバチは攻撃性が高いので、必ず専門業者に依頼してください。
アシナガバチなどの攻撃性の低いハチや巣作りの初期段階、働き蜂が数匹程度の状態であれば比較的容易に駆除できますが、働きハチが多数いる巣や駆除に不安がある場合は、専門業者に駆除依頼したほうが良いでしょう。

駆除相談窓口

埼玉県ペストコントロール協会
電話 048-854-2890

この記事に関するお問い合わせ先

環境課環境政策・保全担当
〒364-8633
埼玉県北本市本町1-111
電話:048-594-5526
ファックス:048-592-5997
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