北本の地形と景観

更新日:2021年03月31日

北本市は、市域の大部分が大宮台地上にあり、東部の一部分が赤堀川流域の低地に、西部の一部分が荒川流域の低地に位置します。西部の台地と低地の境界は、高尾・荒井・石戸宿の西側に沿って最高15メートルのがけとなって、荒川低地に落ち込んでいます。一方、東部では大宮台地が次第に低くなっていき、深井・宮内・古市場付近で沖積低地に埋没しており、台地と低地の境がはっきりしないのが特徴です。

西部の高尾・荒井・石戸宿付近には、「谷津」と呼ばれる地形があり、北本市を代表する景観を生み出しています。谷津は、台地に刻まれた谷(開析谷)の斜面や谷底からわき出る地下水(湧水)によって作られた低湿地です。

石戸宿(北本自然観察公国内)、高尾、北袋の谷津には、谷の陸地部分から谷底にかけて、水辺林にはじまり湿地や水面・水中に生育する植物にいたるまで、性質の異なるいくつかの環境が移り変わっていく、遷移帯(エコトーン)と呼ばれる箇所が見られます。ここでは、様々な環境条件が備わっているため、多様性に富んだ生物が生育・生息する貴重な自然環境が残されています。
 

(地図)標構図

出典)国土交通省国土地理院発行縮尺2万5千分の1地形図より抽出
25m等高線,一部推定

(地図)地形分類図

出典)国土交通省国土地理院発行縮尺2万5千分の1土地条件図「鴻巣」昭和55年3月、「大宮」昭和47年3月
人為改変前の地形・土地条件(荒川の河道は現況)

このように北本市の西部地域には、地形的な特色を反映した里地の景観が形成されていることから、埼玉県「ふるさと埼玉の緑を守る条例」に基づき、埼玉らしさを感じさせる樹林地を中心とするすぐれた風景を形成している地域として「高尾宮岡ふるさと緑の景観地」が指定されています。また、市域には「石戸蒲(かば)ザクラ」をはじめとし、数多くの文化財や史跡、古道にまつわる道標、神社、仏閣などが歴史的景観を創り出し、農地に点在する屋敷林も北本らしさを醸し出しています。

市街地においては、自然景観や歴史的な景観との調和に配慮した、良好な都市景観の保全と形成が望まれています。

(写真)里地の景観

この記事に関するお問い合わせ先

環境課環境政策・保全担当
〒364-8633
埼玉県北本市本町1-111
電話:048-594-5526
ファックス:048-592-5997
お問い合わせはこちら