緑のトラスト保全第8号地(高尾宮岡の景観地)

更新日:2021年03月31日

 緑のトラスト保全第8号地(高尾宮岡の景観地)は、埼玉県とともにトラスト地内の散策路や湧水の保全対策整備等を行っております。
 四季折々の豊かな自然環境を見ることができますので、ぜひ、当地へ足をお運びください。周辺には、高尾さくら公園や野外活動センターなどもあります。
 埼玉県内でのトラスト地については埼玉県みどり自然課ホームページで見ることができますので併せてご覧ください。

(写真)高尾宮岡の景観地
(写真)案内図

豊かな自然・歴史的環境を未来の子どもたちへ

 緑のトラストの対象地は、野外活動センターの東側(高尾8丁目他)に広がる「宮岡の谷津」一帯の地域です。この地域は、標高30メートルほどの台地を、谷津が深く浸食しています。その起伏に富んだ豊かな自然環境は、まさに北本の里山を代表する場所なのです。
 宮岡の谷津は、長年、農地等の利用によってその環境が守られてきました。しかし、最近では休耕地等の進行もあって谷津は埋め立ての危機に瀕しています。
 一方、最近ではこうした地域の身近な自然が見直され、その重要性が叫ばれるようになってきました。斜面林と湧水に恵まれた宮岡地区の豊かな自然は、無限の価値を秘めているといえるでしょう。
 例えば、これまでの環境調査では、ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウという昆虫やオオアブノメといった湿生植物など、『レッド・データブック』に記載された稀少種が確認されていて、その重要性がうかがえます。
 トラスト運動は「すぐれた価値を持つ自然環境や歴史的建造物を、買取りや寄贈によって取得し、それを保全・管理するとともに広く一般に公開していく運動」であるといわれています。
こうした宮岡地区のかけがえのない自然を保全し、稀少な動植物を絶滅から守っていくためにも、今、市民の皆さんと市が協力し、トラスト運動を進めていくことが大切なのです。

紹介します! 宮岡の谷津

 緑のトラスト地は、斜面林が湿地を抱く独特な景観をしています。一歩、中へ踏み込んでみましょう。さまざまな魅力に満ちた世界が広がります。  

神秘的な泉

 谷の奥では、今でもコンコンと泉が湧いています。地中から身を震わせて湧き出す様は、神秘的な感動があります。過去の調査では市内の泉の中で最も水質が良く、水量も安定していました。各地で枯渇が問題となっているなか、県南部の北本市に泉が存在する事実は、奇跡的なことといえるかもしれません。

動植物の宝庫

 澄んだ泉の水は、斜面林を巡り、湿地を作ります。この良質な水環境こそが、豊かな動植物相を育んでいるのです。
 春にはクロアゲハ、夏にはオニヤンマが飛び交い、秋にはツリフネソウが湿地をピンク色に染め、冬には、ヨシ原の日溜りで鳥たちが羽を休めます。そんな四季折々に生き物たちの息づかいが聞こえてくる聖域が、この宮岡の谷津なのです。

歴史と伝説の里

 谷の最奥には氷川神社・厳島神社・須賀神社と三つの社が隣り合わせ、厳かな歴史的な雰囲気を漂わせています。
 この周囲は縄文時代の大遺跡でもあり、発掘調査では、縄文人の耳飾・石剣・土偶のほか、多量の土器や石器が出土しています。ムラの中心には厳島神社の湧泉があり、この泉こそが縄文人の生活を支えたことでしょう。
 また、厳島神社には竜が昇天したという「龍灯杉」の伝説、付近には上杉謙信に由来する「逆さ椿」などの伝説が残され、さながら伝説の里といった趣があります。
 この豊かな自然・歴史的な環境を、ぜひとも未来の子どもたちへ受け継いでいきたいものです。市民の皆さんのトラスト基金へのご理解とご協力をお願いします。

高尾宮岡ふるさとのみどりのトラスト基金

 市では、「高尾宮岡ふるさとの緑の景観地」を保全し、貴重な谷津の自然を将来へ伝えるため、「高尾宮岡ふるさとのみどりのトラスト基金」を創設しました。この基金は、皆さんから寄せられた寄付金に、市がこれと同額程度を上乗せする「マッチングギフト制度」を導入し、当地区の環境保全事業や啓発活動を進めていくものです。

マッチングギフト制度

(イメージ)マッチングギフト制度

トラスト基金寄付金を受け付けています

 寄付金の受け入れは、随時受け付けています。直接、市役所環境課窓口にご持参ください。

この記事に関するお問い合わせ先

環境課環境政策・保全担当
〒364-8633
埼玉県北本市本町1-111
電話:048-594-5526
ファックス:048-592-5997
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